大学入試対策の定番テキストと言えば赤本ですが、他にも似た名前のシリーズが出版されています。
それが、青本、黒本、紫本、白本、緑本です。
どれも色の名前が付いていて似た印象ですが、それぞれに特徴や違いがあります。
この記事ではその各シリーズの違いや使い方についてまとめてみました。
赤本(大学入試シリーズ)
赤本は、世界思想社教学社が出版している、大学入試対策テキストです。
過去問や解答、解説とともに大学情報や傾向と対策も掲載しています。
主要国立大学や規模の大きい私立大学などでは、学部ごとや日程ごとにそれぞれ1冊にまとめられ、細かい対策が可能です。
入試対策の定番として知られる赤本の中でも、「医歯薬・医療系入試シリーズ」と「獣医・畜産系入試シリーズ」は別格。
収録されている過去問題が6〜10年分と非常に多く、サイズはA5版で紙質も他のものとは異なっており、その分値段も割高です。
また、英語や国語の過去問題で一部赤本に掲載されない問題があります。
解答や解説は大学が公式に発表しているものではなく、予備校講師・元高校教師・大学講師などが独自に作成したものです。
そのため、解答としては正しいものの、あくまで解答例として掲載されています。
赤本は解説が若干不親切なことが多く、簡単な問題には解説が付いていないことも。
レベルが高めな作りのため、イチから理解していきたい人には向かないテキストです。
青本(大学入試完全対策シリーズ)
青本は、駿台文庫(駿台予備校)が出版している大学の入試対策テキストです。
掲載内容は赤本と似ているため、最も比較されがちですが、細かな中身はかなり大きく違っています。
赤本はほぼ全ての大学の過去問を取り扱っているのに対し、青本では東大や京大、早稲田、慶応といった有名大学のみです。
また、青本では過去問を5年分掲載しているのに対し、赤本は大学によって量が異なっています。
過去問の量を比べる際には、ぜひ自分の志望する大学のテキストを比べてください。
さらに、青本は赤本に比べると解答や解説が充実しています。
志望校にもよりますが、数をこなしたい場合は赤本、解説をしっかりして欲しい人は青本という選び方が知られていますね。
値段的には赤本と変わらないので、内容を読んで比べてみましょう。
黒本(河合塾シリーズ)
黒本は、河合出版から発売されている受験対策テキストです。
赤本や青本はセンター試験と大学個別入試対策に分かれているのに対し、黒本はセンター試験対策に特化しています。
河合塾が実施している、センター試験対策の模擬試験である「全統模試」の問題を掲載。
本試験の問題を的中させることもあり、20年以上に渡って愛されてきました。
センター試験特化のため大学ごとのテキストはなく、試験科目ごとに1冊ずつ出版されています。
本の中身は過去問だけでなく、過去の点数データや成績分布が載っていて、解きながら自分の偏差値を確認することが可能。
成長を実感し易いので、勉強も続き易いですよね。
掲載されている問題の質も良く、実際の試験で出題される傾向を幅広く対策することができます。
赤本や青本はどちらかと言えば個別対策に強みがあるので、センター試験対策では黒本を使う人も多いですね。
紫本(河合塾シリーズ)
紫本は、河合出版から発売されている受験対策テキストです。
同じく河合出版から出ている黒本はセンター試験特化でしたが、紫本は大学別模試の過去問が掲載されています。
赤本、青本は入試の過去問だったのに対し、紫本は河合塾が行う模試の過去問ですから、合わせて使う人が多いです。
河合塾の大学別の模試は、講師陣が考え抜いた良問ばかりで、さらに実際の入試問題よりも若干レベルが高め。
つまり、紫本の問題が解けるようになっていれば、入試の問題は簡単に感じるようになっているということです。
これには河合塾の「志望校の問題をより確実に解けるようになってほしい」という方針が込められています。
志望校の紫本が出版されている場合は、早めに購入して勉強を始めるのがオススメです。
「紫本をやれば模試を受けなくても良いのでは?」という人もいますが、これは間違いです。
やはり試験会場の空気、緊張感は特殊ですから、本番に近い環境で受けられる模試は必ず利用しましょう。
白本(大学入試センター試験実戦問題集)
白本は、代々木ライブラリーから出版されている大学受験対策のテキストです。
センター試験の過去問題集が最も有名で、センター試験対策をする際の大きな選択肢となっています。
その他にもセンター試験の予想問題集や、東大や早稲田といった有名大学の入試プレ問題集などもシリーズ化されました。
赤本や青本、紫本などに比べると知名度で劣っていますが、センター試験の過去問という意味では差がありません。
代々木ゼミも有名な予備校ですので、あとは解答例や解説の仕方が自分に合っているものを選ぶと良いですね。
緑本とは
緑本は、通信添削で有名なZ会から出版されているセンター試験の過去問集です。
以前は大学個別の問題集も作っていましたが、現在では絶版となっています。
緑本は青本同様に解説の評判が良く、最近人気を伸ばしてきました。
特徴的なのは英語、数学、国語の主要3教科に絞って10年分の過去問を集めた「英数国シリーズ」です。
大学や学部によっては理科や社会科が無い場合もありますが、この3教科は必ず入っていますよね。
そのため、どの大学を志望するにしても、これらの主要教科はしっかり対策していきたいところです。
大学入試対策テキストの選び方
赤本や青本、黒本、紫本、白本、緑本、比較してみると、それぞれに違いがあることがわかりました。
実際にテキストを選ぶ際には、まず自分の志望する大学の個別対策本がないかを調べましょう。
有名大学なら大体どこからも出ていますし、赤本ならばほぼ全ての大学の対策が可能です。
また、もし紫本も出ている場合はチャレンジしてみることをオススメします。
個別が無い場合には、センター試験の過去問や、模試の過去問をこなすことが重要です。
志望校によっては受験教科が少ない場合もありますので、無駄な時間を使わないようにしたいところですね。
過去問の場合はどの出版社でも同じ問題ですが、解答例や解説が異なってきます。
これは実際に中身を読んでみて、自分が理解し易い本を選びましょう。
評判も大事ですが、最も重要なのは自分に合ったテキストを選ぶことです。
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